2014年12月22日月曜日

今年の締めくくりは百人一首かるた大会

 1213日(土)34時限目を使って、百人一首のかるた大会を実施しました。修学旅行で茶道体験・坐禅体験・能の鑑賞と日本の伝統文化に触れてきましたが、締めくくりは中学2・3年生が取り組む百人一首のかるた大会。始めた頃は、「男子校には向かないかも?」と思った時もありましたが、年々生徒は落ち着いて取り組めるようになり、今年で23回目を迎えました。2年生の中からも、上の句の5文字が詠み終わる頃には取り札に手の出る生徒もいて、大変レベルが高くなったと思います。

 前日までにインフルエンザが流行りはじめたクラスもあって、一堂に集めることの危険性を指摘する声もありました。とはいえ、せっかく練習もしてきたのでそう簡単にはやめられません。会場の体育館入り口では手の消毒をし、学校で用意したマスクを全員が着用して実施しました。終わってからもうがい、手の消毒をして万全を期したこともあって、現在中学生でインフルエンザに罹患している生徒はほとんどいません。

 当日生徒にも話したことですが、この年齢の生徒にしっかりと覚えさせることの意味は大変大きいと思います。私も同じ年齢の頃に百人一首を覚えました。今でも忘れない歌が少なくありません。この歌を詠んだ人はどんなところにいて、どんな思いで詠んだものだろうか?そう考えながらじっくりと味わってみると楽しくなってきます。

 私の故郷は山々に囲まれた小さな盆地で、東西南北どこを見ても山が迫っています。高校生の頃に我が家の2階の窓から見える景色を思い出します。南にある街のシンボル的な山が昼には太陽によってシルエットになってしまいます。日が暮れるのも多少早く冬の一日はまさに「つるべ落とし」。短い昼の午後に西の山が太陽に照らし出されて浮かび上がり、はっきり見えます。そこはまさに冬枯れの世界です。落ち葉を踏みながらサクサクと歩くまわりには誰も何もいません。きっとこんな情景だったのかな?そんな情景を描きながら思い浮かべることのできるのは

           山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

 自分を育ててくれた故郷に感謝しながら、いつも思い出しています。自分の心情に重なる歌を見つけるのは楽しいものです。

 あとわずかで今年も終わります。新しい年がこのメッセージを読んでくれたすべての人にとって良い年であることを祈りつつ、大伴家持が詠んだ万葉集の最終歌を送ります。

           新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事

 

 

2014年11月29日土曜日

いよいよ受験本番に突入

朝晩すっかり寒くなってきました。みなさんはお変わりありませんか?

本校では来週から後期中間考査が始まります。特に高校3年生は、この成績で卒業や卒業式における表彰等が決まります。すでに指定校推薦等で進路を決めた生徒もいますが、一般受験でこれからが本番という生徒も少なくないはずです。これまで私が生徒諸君に伝えてきた大事なことは、「受験は団体戦」であるということでした。私以外のいろいろな先生もこのことについては話していることと思います。

「受験は団体戦」……。昔はこんなことは言いませんでした。受験は個人戦で、「一人でも多く蹴落として自分だけが合格をもらう」という発想でした。何とも自己中心的な発想だったことかと思います。昔と今では大学受験の環境が全く違うということもあるでしょうが、同じ大学の同じ学部同じ学科を受ける生徒が1つの学級の中にそうはいないことも関係していると思います。そんな狭い世界で変な競争意識を持つよりも、競争するならばもっと目を全国に向ける方がいいのです。子供たちにも違った景色が見えてくると思います。

たとえて言うならば運動部と同じではないですか。部の中ではレギュラーポジションを巡って部員同士が激しくしのぎを削ったと思います。でも他校と戦う時は部員が一丸となって相手チームと戦うのです。

私たちは「チーム足立学園」なんです。たまたま縁があって同じクラスになった仲間たちが、人生の岐路に立つ重要な試練の時期に、励ましあって全員が合格することを目指すのです。勉強を教えられる者は勉強を教え、そうでない者は一声かけてあげればいいのです。最後の1人が合格するまでみんなで支えあっていくことの影響力は計り知れないものがあります。昨年は1学級がこれを達成し、全員現役合格を果たしました。

今年の高校3年生もこの時期がやってきました。幸いなことに防衛大学校一次試験の結果が入ってきました。昨年の1.5倍以上の合格をいただいています。これを励みに、健康に留意しつつ最後まで頑張ってもらいたいものです。努力した結果は必ず返ってくるものです。

2014年10月31日金曜日

大事にしたい卒業生との繋がり


同窓会での出会い

1025日に同窓会総会と懇親会が開かれました。その様子はちょっとだけ本校ホームページの「学園BLOG」に載っています。懇親会では本校卒業生教職員9名がお手伝いできて本当に良かったと思います。80歳を超えても来て下さった先輩諸氏にはただただ感謝です。

その時、初めて来ていただいたのが私のクラスの二人の卒業生。一人は去年、仕事がらみで校長室を訪ねてくれましたが、もう一人は卒業以来初めてでした。参加者名簿にも名前がなく、当日の飛込み参加だったようです。帰り際に挨拶されたものの在学中の顔が思い出せませんでした。申し訳ないことをしました。あとから思い出したのは、在学中ほとんど私の前では言葉を発することがなく、色白でおとなしい黒縁の眼鏡をかけた姿でした。しかし、当日の姿は色黒(?失礼)で眼鏡をかけていなかったので昔の思い出が蘇ってきませんでした。23年ぶりの再会に、連絡方法も聞き忘れ、ただただ「次回もまた…」と心の中で祈っています。

 
修学旅行で日本の伝統文化に触れる

115日(水)から8日(土)まで、中学3年生と一緒に奈良・京都の修学旅行に行ってきます。1023日はその事前学習で、今年も中学再開一期生の中山公平さんに京都からわざわざ来ていただきました。当日の出で立ちは袴に雪駄で、仕事が板についている感じです。

彼は中学時代私が担任で、高校卒業後上智大学法学部を出て、現在は京都東山にある京懐石料理の美濃吉本店竹茂楼(みのきちほんてんたけしげろう)でブランドマネージャーを務めています。美濃吉は創業298年の伝統を持つ老舗料理店ですが、1992年から竹茂楼を開亭し、高級料亭としてのブランディングをはかりながら、全国17店舗を含めて統括サポートするのが彼の役割。来年イタリアで開かれるミラノ万博では和食が世界遺産になったこともあり、日本館では本格日本食レストランを美濃吉が単独で運営することになったそうです。

この竹茂楼で茶道体験をさせてもらいます。また大江能楽堂での能の鑑賞、建仁寺での坐禅体験もあります。

 
京都ではもう1人、京都大学大学院生の卒業生がいます。昨年も一昨年もホテルで待ち構えていましたが今年はどうなるでしょうか?卒業生との繋がりを大事にしながら、現役生の育成に大きな役割を発揮することができれば、これほど嬉しいことはありません。

2014年9月30日火曜日

20回目のSENSATION

  今年の文化祭は、マナーを守って「おもてなし」ができること、「品格のある男子校」であることを示す場であることが目標でした。生徒諸君はよく協力してくれて、礼儀正しく一生懸命取り組んでくれました。とりわけ実行委員会は意欲的で、近くの小学校で行われた子どもフェスティバルでお手伝いをするとともに文化祭の宣伝をし、地元ケーブルテレビに訴えて取材に来てもらいました。高校3年生なのに、いえ高校3年生だからこそ最後の思い出に全力投球してきたんでしょう。

 今年の企画には、本校卒業生の現役東大・早大・慶大生によるパネルディスカッション。大学の様子や志望動機、受験勉強の方法について報告してもらいました。4年目を迎えた中学生の合唱コンクールはレベルの高い内容になり、足立学園の新しい歴史を築いたように思います。校庭では、書道パフォーマンス、体育館3階では300名の観客を魅了した吹奏楽部のFantastic Music、音楽室では本校生徒によるピアノやギター演奏、校庭ではダンス等各種イベントなど様々なものが行われました。各教室では文化部・中学各学年等による研究発表・展示、高校のクラスと運動部が模擬店に取り組みました。PTAの方々にも写真展やバザーに取り組んでいただき、前日の準備から大変ご苦労様でした。外部からは越谷高校、東京電機大、東京藝大、東京消防庁等に参加いただき、ありがとうございました。2日間で5800名を超える参加者でした。

 同時開催されている学園通りフェアは2000年に本校と旭町商店街が始めたものでした。今年で15回目を迎え、開会式には足立区経済産業部、地元都議会議員・区議会議員、地元公立小学校・中学校の校長、地元町会、消防署等の関係者が参加して盛大に行われました。イベント会場も足立学園を含めて4会場になり、町を挙げてのフェアとして発展してきました。

 こうした文化祭も最後は後夜祭で盛り上がります。今年も生徒のバンドグループがステージに上がり、最前列は高校3年生を中心に、その周りで本校他学年の生徒や他校生、保護者が見ています。最後は先生方のバンド。名前はSENSATION。今年で20回を数え、足立学園になくてはならない存在になりました。先生方が登場すると会場は一段と盛り上がり、ピークを迎えます。先生方の3バンドが終わると、実行委員会の生徒もステージに上り、一緒に歌います。そして、フィナーレは実行委員会の生徒と後夜祭に参加していた生徒が校歌を全員合唱。この瞬間、生徒たちは燃焼しきります。毎年この感動は学園生活の熱い思い出として生徒の心に焼き付いていきます。

 

 

2014年8月30日土曜日

夏休み中の取り組み

暑い夏休みが終わりました。今年は記録的な豪雨の影響により各地で土砂崩れが発生し、大きな被害が発生しています。一日も早い復興を願うとともに亡くなられた方々には心よりお悔やみを申し上げます。

先月の私からのメッセージでは、インターハイに出場したバスケット部と柔道部のことを書きました。初出場のバスケット部は本当によく頑張り、応援している誰もが一時は「初戦突破」の夢を見させてもらいました。さすがに相手はインターハイ常連の学校だけあって最後は7377で惜敗しました。私は選手に「よくぞここまで頑張った」と心の中で涙しながら拍手を送っていました。柔道では66㎏級に出場した泊君が途中惜しくも敗退。残りの15秒が悔やまれました。60㎏級の藤阪君は着実にポイントを稼いで確実にコマを進め、見事優勝。一本勝ちの派手さはないものの安定した戦いぶりは安心して見ていられました。また、中学柔道部の山本君は、全国大会で途中敗退したものの、関東大会は優勝。立派でした。

海外語学研修はイギリス・ラグビースクールでの2週間。昨年までと違って盛りだくさんの企画に、一生懸命頑張っていた生徒の活躍が手に取るように報告され、今後の課題も見えてきました。8月中に大学見学ツアーを東京大学と筑波大学で実施しました。卒業生の協力はとても大きな役割を果たしています。自習室では高校3年生を中心に、毎日5060名、多い日は100名を超える生徒が勉強していました。受験生にとっては重要な時期だけに、真剣に取り組んでいる姿が印象的でした。91日からは、中学生が夏休み課題テスト、高校12年生は模擬試験、高校3年生は校内推薦共通テストがあって、夏休みの努力を結果に出すチャンスです。

学校としては、夏休み中に外側の窓の清掃やエアコン室外機の移動等、生徒が学ぶ環境の整備も進めました。また、28日には午前中、日本赤十字社青少年・ボランティア課の方にお出でいただき、普通救命講習を実施しました。いざという時のために知っておくべき内容で実習を交えて行いました。午後は東京自閉症協会の方や臨床心理士の方にお出でいただき、発達障害について研修しました。子どもたちの特性をよく見てその子の気持ちに寄り添いながら教育していくことは、健常な生徒にとっても必要なことで、これからより広い視点に立った教育活動を進めていく参考になりました。

いよいよ9月です。生徒たちはどんな成長を見せてくれるのでしょうか?期待したいと思います。

2014年7月31日木曜日

部活動と勉強の両立


今年は中学校の部活が活躍しています。野球・サッカー・柔道・剣道・卓球・バスケットが都大会に出場しました。特に柔道部は山本君が60㎏級で優勝し、関東大会、全国大会に出場が決まりました。


本校では中学校の場合、火・木・土の週3日午後6時まで、日曜日は部によって活動していますが、朝練習はしてはいけません。これは部活動も大事ですが、勉強を疎かにすることのないように配慮したもので、部活動のない日に追試や補習ができるように考えています。
 

高校では関東大会に、柔道・バスケット・レスリング、インターハイにはバスケットと柔道(個人で2階級)が出場します。秋の国体には柔道1名、バスケット2名が東京都代表に選ばれています。スポーツの盛んな学校では朝早くから夜遅くまで長時間の練習を課す学校もあるようですが、本校は朝7時にならないと校門が開きません。夜8時になると校門が閉まってしまいますので、部活は7時までとなっています。限られた時間内で集中して練習することも大事なことで、自宅学習の時間も確保できるようにしています。今年のバスケット部卒業生の進学先を見ると、スポーツ推薦は1人だけで、他は一般受験や指定校推薦で、早稲田、法政、明治、日本、東洋などに合格しており、浪人生は1人しかいませんでした。部活動と勉強の両立ができている証左だと思います。
 

722日からは午前中に中学が夏期講習、高校は進学講習に取り組んでいます。午後は三者面談です。中学生の場合は生活規律や学習習慣の確立がこの時期の面談の中心になりますが、高校生は学年が進むにしたがって進路のことが中心にならざるを得ません。直前に今年は、高校2年生対象の国公立大学を希望する生徒のためのガイダンスを開きましたし、短時間でしたが高校3年生の旧帝大以上を第一志望とする生徒の激励会も校長自らが参加して実施しました。

 
 
昨日イギリス・ラグビースクールに向けて語学研修が出発しました。明日から8月、中学1年生は林間学校、高校はインターハイも始まります。


部活動に参加している生徒は合宿もあり、たくましく成長する絶好の機会です。また、高校3年の受験生にとっては“夏を制する者が入試を制する”と言われるように、この夏をどれだけ有効活用できるかが、秋以降の成績の伸びを左右してきます。


いずれにしても夏休みは大きく成長できるビッグチャンスですので、しっかり自分のやるべきことをやりきって、9月にまた元気な姿を見せてもらいたいものです。

 

2014年7月1日火曜日

研修会に行ってきました。

621日(土)に第2回保護者会を開催しましたが、保護者の皆様には多数参加いただきありがとうございました。学級懇談会は90%の方が出席されました。学校への要望につきましては真摯に検討し、対応させていただきます。当日は担任から「『社会を明るくする運動』薬物講演会」の案内を配布させていただきました。地元の保護司会の方々のご協力をいただき、75日に、薬物乱用防止をねらいとして開きます。講師には堀江勉先生(東京都薬物乱用防止推進協議会足立地区協議会委員)をお招きして講演を行います。

68日に「東京私立男子中学校フェスタ」が開かれました。この時「男子教育」についてパネルディスカッションが行われました。パネラーは麻布中学校、開成中学校、武蔵中学校の校長先生、コーディネーターは本郷中学校の校長先生で、これほど豪華な顔ぶれもないのではないかと思います。それぞれの学校の状況や校長先生のお考えを聞くと、しっかりとした人間教育の在り方を示していました。

昨日も品川女子学院で開かれた男女別学教育シンポジウムに参加してきました。参加者は私の想定をはるかに超えていて、北は北海道、西は広島からも参加され、テレビカメラが入り教育ジャーナリストや一般の方も参加されて総数は100名ぐらいになるでしょうか?基調報告は今年2月に本校で講演をしていただいた中井正巳先生が行われましたが、あの時よりも数学や国語における男子の教え方、女子の教え方の違いをより具体的に説明されていました。

その後品川女子学院、本郷、國學院久我山、桐光学園、かえつ有明の各校長先生(かえつのみ副校長先生)が登壇してパネルディスカッション。なかなかこういう先生方が一堂に会することはないかと思いますが、それだけに各学校での取り組みは貴重なもので、普段聞けないところをしっかり聞かせていただいて、大変勉強になりました。共学の3校も学年によっては教科指導を別学にしており、効率の良いことを指摘していました。いずれにしても子どもたちにとって中高6年間はなにものにも代えがたく、この時期をどこで過ごしたかが人生を大きく左右することは間違いないことです。

男子校・女子校合わせても別学は全国でも10%に満たないレアな存在だそうですが、だからこそ貴重なのだと思います。男子の特質を生かした指導を今後も研究しながら、足立学園は人間教育を大事にこれからも進化していきます。

 

2014年6月2日月曜日

体育祭は全員が主人公

  今年も葛飾区総合スポーツセンター陸上競技場を会場にして体育祭を実施しました。当日は爽やかな新緑の風に吹かれて、暑すぎもせず最高のコンディション。保護者の方にも多数おいでいただきありがとうございました。上の観覧席は立ち見の方も相当数おられ、本部席の横には敬老席も設けさせていただきましたので、お出でいただいた方はおおよそ1000人と思います。

例年体育祭は、100mのような個人種目もあれば、男子校ならではの騎馬戦や棒倒しがあり、強くたくましい男子の象徴にもなっています。また、クラス対抗リレーは体育祭の最後を飾る種目として大変な盛り上がりを見せてくれます。それぞれの競技種目で選手は全力を出し切って頑張っています。
 
 
 
今年の体育祭はこれまでの良き点を生かしつつ、「そろえること、きびきび行動すること」を目標に取り組みました。具体的には、最初の集合で太鼓の音とともに全力で集まり、直ちに整列すること。縦横をそろえられることが大事なポイントです。続いて開会式では、静止して静粛に臨み、準備体操の時にきちんと全員が揃えられること。退場では足並みをそろえて素早く行うこと、等でした。この他にも選手の招集・入場・退場等は生徒がリードしてきびきび行うことができました。
 
 
 
昨年から全体練習日を一日設けて取り組んでいますが、全体で何かをする時にややもすると、一部に統一歩調の取れない生徒が出やすいものです。一人ひとりの生徒が主人公として自覚し、統一した行動・きびきびとした行動で体育祭全体を質の高いものに盛り上げていくことができるように、育てようと考えています。
 
 
 
 
 
まだまだ課題はありますが、今年は生徒が一生懸命よくやってくれました。先生方の指導も行き届いていて、今までにない体育祭にすることができたと感謝しています。この体育祭を通じて、強くたくましい男子に加えて「品格のある男子」に育てることも今後の課題。来年はまた一歩前進していきたいと思います。

 

2014年4月30日水曜日

品格ある男子の育成


 
 
陽射しは熱いものの木陰に入ると爽やかな薫風に頬を撫でられ、心地の良い日でした。
今年の強歩大会は足立学園から土手沿いに葛西臨海公園までの往復。
様子を見に行ってみると、次々と集まってくる生徒たちは、一様に元気。
班毎に大観覧車の下まで来ることになっていますが、ある班は1人が遅れていました。
見かねた先生が「そこの班は1年生を置いて行ってはダメだよ」と声をかけると、
最後尾の生徒が「ぼく2年生ですけど…」と答えて、思わずにこり。

今年で22年目を迎えた強歩大会も無事終了することができました。
何よりも生徒の頑張りはすごいものがありました。
この生徒たちの頑張りを、保護者の方々はぜひ褒めてあげて下さい。
子どもたちにとって、大きな自信となり、これからの人生の糧になることと思います。
今年は昨年までと違って、強歩大会を始めたころの「縦割り班」に戻して班編成。
3年生と1年生、2年生と1年生で班を作っているので、
上級生にとってはリーダーとしての自覚や責任が求められる行事となりました。

さて新年度も始まって1か月が過ぎました。
いつもながら新入生を迎えて学園は活気に満ち溢れています。
とりわけ先生方の動きがきびきびとしているように感じるのは私だけでしょうか?
この3月には東京大学に2名が現役合格。
そのことが生徒にも先生方にも大きな影響を与えていると思います。
きっと「来春もそれ以上の結果を出そう」と心に秘めているのでしょうね。
振り返れば、今春の卒業生は内進生の中に高2から国立クラスを設置して4年目、
午後の特別奨学生入試を始めた初年度でした。
学校の改革が軌道に乗ってきた証かもしれません。

昨年度は、生徒指導・進路指導でしっかりしたレールを敷くことができました。
今年は学習指導で結果を出していきたいと考えています。
各種研修会への参加や研究授業・校内研修会の開催、生徒の家庭学習の強化等に積極的に取り組んでいきます。
3月には男女別学研究会の中井俊巳先生をお呼びして研修会を開きました。5月には元浅野中学校・高等学校の校長先生である淡路雅夫先生をお呼びして研修会を開きます。
男子の特質をよく見極め、これに見合った教育を展開することにより、
これまで以上に教育効果をあげられるようにしていきます。

「強くたくましい男子」に加えて「品格のある男子」の育成に力を入れていきます。

2014年3月22日土曜日

過去最高の大学合格者数

中学校の卒業式も終わり、もうすぐ新年度を迎えます。来年度入学してくる新入生の数も確定しました。中学は午後の特別奨学生入試の合格者の手続きが増えていますので、それだけ優秀な生徒が多くなると思います。一方高校は、昨年より20名以上増加し、また、内進生の特別クラス一期生も高校に入学してくるので、学力レベルは上がってくるものと期待しています。

大学入試について、25年度に掲げた目標は、「東大にコンスタントに合格者を出す学校」、「平均的な学力があればGMARCHに合格できる学校」を目指すことでした。この2つの目標はそんな簡単に達成できるものではありませんが、昨秋進路指導の統一ときめ細かな指導に取り組み、2つの目標に加えて、90%の現役合格を目指しました。

その結果は、本校初の東大2名現役合格、GMARCHは現役100名を突破することができました。現役合格述べ数は過去最高をはるかに超えて現在684名に達しています。東大合格の2名はともに内進生で、中学入学時は2人とも一般入試の2科受験で入学してきた生徒です。理科一類に合格した生徒は中学受験も大学受験も塾・予備校に通ったことがないそうです。文科二類に合格した生徒は六年間成績特待になることはありませんでした。こうしてみてくると東大との距離がずいぶん縮まった気がします。GMARCHについては浪人生も含めて約140名が合格。卒業生の集約を正確にすれば今後さらに増えていくものと思います。「平均的な学力を持つ生徒がGMARCHに合格できる」ための目標として掲げたのは200名ですので、こちらも現実的な課題になってきたと思います。「90%の現役合格率」は、女子高では見たことがありますが、男子校ではあまり聞いたことがありません。こちらは内進生がほぼ達成しました。26年度入試の結果は、何よりも本校の後輩たちに与える影響が大きく、来年度に弾みがつくものと期待しています。

ここまで奮闘してきた卒業生を大いに評価するとともに、ご理解・ご協力いただいた保護者の方々に深く感謝申し上げます。

2014年2月28日金曜日

男子の特質を生かして

入試も終わり、生徒たちは期末考査に向けて一生懸命勉強しています。期末考査が終われば中学2年生はスキー実習に、高校2年生は沖縄または北海道の修学旅行に出かけます。好成績を収めて気持ちよく出かけられることを期待しています。また、今年度はインフルエンザや感染性胃腸炎で学級閉鎖になるようなこともなく、1年間教育活動は順調に進んでいます。これもご家庭のご理解・ご協力によるものと深く感謝しております。

 さて、入試も終わりましたが、今年の状況は中学校が微減、高校が微増で、新入生は中学4学級、高校9学級になります。厳しさの増す中学校入試に対応して、今年は早々と2/22()に入試報告を兼ねて「中学校体験会」を実施させていただきました。多くの方に参加していただき、ありがとうございました。今までと違う内容で本校を知っていただく良い機会になったものと思います。

今回の「中学校体験会」では、男子校のイメージから話をさせていただきました。男子校に対してややもするとかつての暗いイメージを持つ方がいるようですが、今は全く違います。男子校の特徴は何かと聞かれれば、少なくとも本校は次の3つが挙げられます。

   明るく伸び伸び生活できる、②生涯付き合える友達ができる、③進学実績が良い。

中学生の時期は女子の成長が早いので、子どもによっては充分な役割を果たせず、伸びる芽を摘んでしまうかもしれません。男子は隣の子が何をやっていようとあまり気にしません。好きなことをとことん取り組める、素の自分がさらけ出せる、……これが大事です。さまざまな行事や部活動を通じて、生涯の思い出と友達を得て巣立っていきます。2年後には成人を祝う会に7割以上の生徒が戻ってきます。また、男子は大学受験となると志が高いのも特徴です。高2から高3にかけて、自分の夢に向かって大きな集中力を発揮し、自分の希望する大学への合格を果たしてきます。

今年は3/4()に校外の講師を呼んで研修会を実施します。テーマは「なぜ男女別学は子どもを伸ばすのか」。続いて5月にも同様のテーマで研修会を予定しています。今後男子の特質を生かした教育内容をさらに研究し、「強くたくましい男子」に加えて、「品格のある男子」の育成を目指していきます。

2014年1月27日月曜日

今年も「ダイヤモンドの原石」に出会いたい

いよいよ本学園の入試が始まりました。
どれだけの人が受験し、どれだけの人に入学してもらえるかは
これまでの教育活動と広報活動から評価される「通信簿」だと思います。
本学園でも122日は高校の推薦入試でした。
125日は高校の一般入試の出願が始まりました。
出願者数、合格者数ともに昨年より微増しています。
120日からは中学入試の願書受付が開始されています。
まだまだ景気の動向も影響して、出願者数は減少すると予想されています。
本校の状況は125日現在、昨年同日と比較して約10%減で推移しています。

今年の入試の特徴は、一般入試第3回が2科のみになっていることです。
中学受験を最近になって考え始めた方にも機会を与えたいというのが趣旨で、
試験内容は昨年4月に文科省が実施した「全国学力・学習状況調査」
と同様なものとなっています。
サンプル問題は解答・配点付で配布しています。

学力に差異が生じて指導しにくいのではないかと言われる方もいますが、
そんなことはありません。
これまで足立学園は「ダイヤモンドの原石」を発掘してきました。
私の経験でも2科受験で合格ギリギリの生徒が高校3年では東大にチャレンジ。
残念ながら不合格でしたが千葉大に進学、首席で卒業しています。
23年度に東大理Ⅲに現役合格した生徒も2科受験でした。
このような事例は枚挙にいとまがありません。
 
今年はどのような生徒が入学してきてくれるのか楽しみです。
願書の提出は一般入試が前日まで、特奨入試は当日午前11時まで受け付けます。
皆さんの入学をお待ちしています。

2014年1月8日水曜日

新年の挨拶


新年あけましておめでとうございます。
昨年は2020年の東京オリンピック招致や富士山・和食の世界遺産登録、
景気の回復基調の兆し等明るい話題が少なくありませんでした。
本学園も「教育活動の3本柱」として
進学実績の向上・豊かな人間性の育成・男子らしい男子の育成
を掲げて教育改革に取り組んでまいりました。
特に進学実績を向上させていくためには、
生徒の家庭学習の強化、先生方の研鑽、進路指導の統一
という3つの方針を立て、具体的な取り組みを開始してまいりました。
また、卒業生の活躍が後輩の現役生の指導に
少なからぬ役割を果たしてくれた年でもありました。

 
今年は、昨年掲げた課題がまだまだ緒に就いたばかりですので、
これからも引き続き取り組んでまいります。
大きな課題となるのは教育内容の質的向上、とりわけICT活用による教育改革だと
思います。
また、今年は男子校としての未来像を求めて
研修・研鑽に力を入れていこうと思います。
力強さやたくましさは勿論必要ですが、あらゆる状況に対応できるような
問題解決能力、周囲への思いやりや弱者への配慮のできる優しさのある人間性、
そうした能力を身に付けた人材を卒業生として世に送り出していくことが重要な役割となっています。
これらはグローバルな人材育成の基礎をなすものと確信しています。

 
これからまだまだ寒い日が続きます。
受験生にとってはこれからが本番です。
本学園高校3年生も本学園を受験される皆さんも
健康管理をしっかりして希望校に見事合格できるよう頑張ってください。
皆さんの夢が成就することを祈念しています。
また、本学園保護者の皆様にあっては、変わらぬご理解ご協力をお願いします。